米国の生物学者ポーパは、生命の定義に関する本を書くために、書物や科学雑誌に発表されている生命の定義をできるだけ集めようとして、約300の定義を集めたところでそれ以上の収集を止めました(※1)。生命の定義がこれほど多いこと自体が決定的な定義がないことを意味します。ウイルスが生物に含まれるかに注意しながら、これらの定義のいくつかを以下に紹介します:
生命の発生と進化を扱う本シリーズでは、最初に3回シリーズでウイルスを取り上げます。その理由は、①生命を定義する際の最大の問題はウイルスが生物かどうかであること、②現在(2020年6月末)、世界は新型コロナウイルスの蔓延という100年に1度の大災害に見舞われつつあることです。
最初に「ヒトはなぜ夢を見るのか」に関する既存の仮説5つを紹介した後、筆者による新しい仮説を提案します。
日本神経科学会監修の「脳科学辞典」から、現時点で最も妥当と思われる夢の定義を引用します:
レム睡眠(Rapid Eye Movement Sleep)とは、急速眼球運動(以下、レム)を伴う睡眠をいいます。レム睡眠には以下の特徴があります:①レムが発生する。②ノンレム睡眠に続いて現れる。③脳波は覚醒中の脳波に匹敵する程度に活発である。④骨格筋の脱力の程度はノンレム睡眠中よりもはるかに高い。⑤呼吸数、心拍数、血圧が上昇し、不安定化する。⑥殆どの場合夢を見ている(※1)。
睡眠はノンレム睡眠から始まります。ノンレム睡眠とは「急速眼球運動」(レム、第61話参照)を伴わない睡眠を言います。客観的に観察容易なノンレム睡眠の例は通勤電車の中の居眠りです。電車の騒音も車掌のアナウンスも耳に入らず、下車駅を寝過ごすほど熟睡していても、体が倒れそうに傾くと自力で姿勢を元に戻そうとします。
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